chura-machiのブログ<時には万年筆で②>

旅に出てうたを綴る・自転車、鉄道、フォークソング

JR東京駅・東日本VS東海

東京駅にはJR東日本JR東海という、2つのJR会社が乗り入れています。

「同じJRだよね」という感覚をもつ人も多いと思いますが、実は全くの別会社。

今回は東京駅での両社の特色・違いなどを少しマニアックに探っていきます。

 

▶東京駅丸の内口

f:id:chura_machi:20210223190504j:plain

丸の内駅舎

2012年に東京駅丸の内駅舎は復元工事が終わり、現在は戦災前の創建当時の姿に生まれ変わりました。皇居へ続く「行幸通り」につながる広大な駅前広場を備え、日本の中央駅として堂々たる姿です。

この丸の内駅舎はJR東日本の所有で、復元工事は同社の手によって行われました。写真の中央口には駅長室がありますが、ここにはJR東日本の駅長がいます。

 

丸の内南口から入場

f:id:chura_machi:20210227095636p:plain

丸の内南口・列車発車時刻掲示


東京駅は昔、丸の内南口が乗車口、北口が降車口でした。今回はこれに則り、南口から入場。駅舎に入って正面に自動改札がありますが、その上の列車発車時刻掲示板が気になります。左から「JR東日本新幹線」、「東海道・山陽新幹線」、「東海道線上野東京ライン)」の順番になっており、これは東京駅の所属線である、東海道本線東海道新幹線東北新幹線に由来しているものと思われます。山手線や京浜東北線、中央線などの発車表はありません。

ここはJR東日本のエリア、この順番が気になりますね。おそらく、国鉄の東京駅の時代からこの順番で掲示されいたのではないかと想像できます。東海道新幹線を中心に、東北新幹線東海道本線が脇を固めるみたいな感じで?

でも、東北新幹線掲示板の真上に「丸の内南口」の文字が・・・。これはここが改札口の正面という意味ですかね。このあたりにはJR東日本の意地を感じます。

 

▶在来線エリア

f:id:chura_machi:20210227095318p:plain

広い在来線エリアの構内

丸の内口から構内へ入るとそこは広い在来線エリア。ここはJR東日本の管轄であり、東京ではおなじみの案内表示が並ぶインテリア。ただ、ひとつ注目するのは新幹線の表記。東北新幹線を示す緑色のピクトが上、東海道新幹線を示す青色のピクトは下に表記されている。

 ちなみに東京駅での新幹線のピクトはJR東日本バージョンは東北新幹線は「E5系」、東海道新幹線は「N700系」をモデルにしており、JR東海バージョンは東北新幹線はJR東と同じく「E5系」ですが、自社の東海道新幹線は「700系」をモデルにしているようです。

 

▶在来線エリアの新幹線発車時刻掲示

f:id:chura_machi:20210227100612p:plain

在来線エリアの発車時刻掲示

新幹線乗り換え口近くにある、発車時刻掲示板。ここもやはりJR東日本エリアなので、東北➡東海道の順番。行先と種別が多岐にわたる、JR東日本掲示板は複雑です。それと比べて、JR東海道新幹線掲示板はこれぞ新幹線という種別と行先表示、名古屋・京都・新大阪方面という行先がシンプルに王道。

▶新幹線乗り換え口(北口・中央口)

f:id:chura_machi:20210227154327p:plain

新幹線(JR東日本)乗り換え口(北口)

在来線エリアの新幹線乗り換え口。まずは手前側のJR東日本新幹線の乗り換え口から。自社エリアにあるため、広く堂々とした構えだ。JR東海新幹線の乗り換え口は奥になる。

f:id:chura_machi:20210227155102p:plain

JR東日本新幹線乗り換え改札(北口)

改札機がズラリと並び、エントランスも広々。最近はICカード化が進んでおり、新幹線も電子マネーをかざすだけとなった。JR東日本はモバイルの対応が中心だ。

f:id:chura_machi:20210227160233p:plain

JR東日本JR東海の境界・きっぷ売り場

新幹線乗り換え口(北口)での両社の境界。緑と青の新幹線カラーでイメージが分かれる。東海道新幹線の切符売り場は少し奥まっている。

f:id:chura_machi:20210227160841p:plain

東海道新幹線中央改札

東海道新幹線の中央改札。先ほどのJR東日本新幹線北口改札の後方にある。在来線➡新幹線の乗り換え改札は2か所あり、JR東日本は北・南乗り換え口、JR東海は中央、南乗り換え口。JR東日本もかつては現在の北乗り換え口を中央乗り換え口と呼んでいた。

f:id:chura_machi:20210227161451p:plain

JR東海の切符売り場

中央口改札となりの切符売り場。東海道新幹線青が強調されたデザイン。JR東日本と比べてJR東海は有人販売を重視している印象がある。

 

八重洲口へ

f:id:chura_machi:20210227161941p:plain

八重洲中央口の様子

八重洲口は両社のせめぎあいが特に面白い場所。八重洲口の在来線改札を出たところは東海道新幹線の高架下にあたるため、基本的にはJR東海のエリアだが、北・中央・南の在来線改札の部分はJR東日本が食い込んでいる。写真を見ると、JR東日本、東海双方の看板が入り組んでいる。ちょっと分かりづらいが、床のタイル色が「グレーと白で」分かれているあたりが境界か。

ちなみに、右手の東海道新幹線改札口の横に移っている券売機は、JR東日本指定席券売機

f:id:chura_machi:20210227162721p:plain

この写真は八重洲中央口構内から外を見たところだが、構内側がJR東海、外側がJR東日本のエリアとなっているため、このように看板が同時に見える。東京駅でのJR東海のエリアはJR東日本にサンドイッチされる形で、かなり狭い商業エリアだが、あとで紹介する東京駅一番街など、結構上手にスペースを活用している。

f:id:chura_machi:20210227182057p:plain

JR東日本グランルーフ・東京駅八重洲

八重洲口側の両社のエリアを整理すると、グランルーフやグラントウキョウサウス・ノースタワーなどはJR東日本、構内へ入って新幹線高架下の施設はJR東海の管轄だ。グランルーフの駅名看板はJR東日本の緑でもJR東海のオレンジでもなく、黒の文字となっている。

f:id:chura_machi:20210227182605p:plain

八重洲口のJR東海エリア

名古屋駅や静岡駅の構内を彷彿とさせる雰囲気で、白とグレーを基調としたインテリアが印象的だ。JR東海の有人きっぷ売り場は、「JR全線きっぷうりば」と表記されており、みどりの窓口という表記はない。

f:id:chura_machi:20210227183601p:plain

八重洲中央口を外からみる

八重洲中央口から外へ出ると列車の案内表記はJR東日本仕様、新幹線の案内順は「東北」➡「東海」の順、なかなか興味深いところです。

 

八重洲地下へ降りる

f:id:chura_machi:20210227184324j:plain

八重洲地下の境界

八重洲口地下の在来線改札を出ると、東京駅一番街がありますが、ここは明確に境界線があります。写真のとおりタイルの色で境界がクッキリ。ちなみに東京駅一番街JR東海の施設で、人気ショップが多く賑わっています。対照的にこの「一番街」の奥に広大な敷地を誇るJR東日本の商業施設グランスタ地下街がありますが、こちらは広さのせいか人口密度が低いようです。

 

▶最後に新幹線改札内の境界

f:id:chura_machi:20210227185631p:plain

新幹線連絡改札

東北新幹線東海道新幹線の構内は、北口(中央口)・南口とも、連絡改札でつながっています。両方とも改札機はJR東海のもので、有人対応はJR東日本の駅員が行っています。ちなみにICカードでの通過には今だ対応していません。東北・東海道直通の紙のきっぷか入場券を持っている場合のみ通過できます。

 

f:id:chura_machi:20210227191451p:plain

JR新幹線エリア

東京駅は日本の首都の玄関口。ここに路線を持つことは鉄道会社にとって最高のステータスと言えます。だからこそ、会社が違えばそれぞれのプライドをかけて色々な特色をアピールすることでしょう。それが私たち鉄道ファンを楽しませてくれます。